初めての転職に堂々と失敗し、職務経歴書を汚し続けた私のケースを紹介。
とある人間の、イチ失敗談として参考にしてください。
私の失敗した理由はたくさんあるが、抜粋すると
- キャリアの長期ゴールを考えていない
- 狭い視野(ビジネス含めて、世の中を知らない)
- 自分だけで転職を決める(客観的にダメ出ししてくれる人の存在がいない)
- 入社先のカルチャーフィットを考えていない
こんなところが自分の失敗の原因だったのではと思っている。
周りを意識して、格好良くみられたいと思っている限り、自分にとって幸せなキャリアは築けないのではと思っている。
キャリアの長期ゴールを考えていない
若い段階でこれ考えている人は非常に少ないと思う。
が、少なくとも転職をするときには自分はどんなキャリアを歩んでいきたいかという、「その段階での」自分の長期的なキャリアの方向性や考えを明確にした上で転職には臨むべき。
じゃないと、さまざまな案件を見るたびに自分をそこに合わせるように行動してしまう。
狭い視野(世の中を知らない)
当たり前であるが、世の中が実際どうなっているのかを知ることが大事。
自分なりにしっかりリサーチして、世の中が今後どうなっていくのか大きなトレンドについて理解した上で自分の進むべき道を選ぶべきである。
なぜなら結局それが、お金が稼げる機会であることが多いからである。
自分だけで転職を決める(客観的にダメ出ししてくれる人の存在なし)
意外にこれが難しい。
当然最後は自分で決めるべきである。
ただ若い時は、自分の判断が正しいと思っていても、社会人の先人(先輩)にとっては非常に危険な判断をしているなと思われることも多い。
先輩や年次の上の人の意見を聞くのは役に立たないこともあるが、まともな先輩であれば適切なアドバイスをくれることもある。
いろんな人の考えを聞くことも大事である。(新卒のOB訪問と同じようなもの)
ただし転職ネタは会社の先輩などには相談するのはNG。
また、親に相談するのもあまりおすすめしない。仕事上利害関係のあまりない人がベストである。
入社先のカルチャーフィットを考えていない
僕は転職を複数回経験して思ったことは、自分と企業カルチャーのフィット感の大事さである。
それはそこで働いている人たちのキャラクターや人種と理解しても良いと思う。
人にはどうしても合わない人間というのがいる。
合わない人間と仕事するのは、ストレスがかかるし、成果も出しにくい。
事前にわかる情報には限界があるが、それでもあらゆる手段を講じて知ろうとするべきである。
過去自分の転職失敗談
個人スペックとしては
- 中堅私大経済学部
- 1浪1留年
- 日本生まれ日本育ち
- 新卒はメーカー入社(当時東証一部)
- 英語はちょっとだけ頑張ったレベル(仕事でギリギリ使えるかどうか)
- 海外営業や事業企画の仕事
最初の会社は決して業界トップ企業ではなかったが、組織の中で相対的に上位にいられるような企業で働く方が、面白い仕事ができる可能性が高いという戦略で選んだ。
今考えると、入社した会社の同期の中では相対的に優秀と評価されるような存在だった。
あまり簡単に新卒が配属されないポジションに行けたこともあり恵まれた立場であったと思う。
精神的にも安定していたし、若手ということで給料はそこまで高くなかったが、体を壊すような働き方をする会社ではなかった。
周りのメンバーにも恵まれ、そんな環境で社会人のスタートを切ることができた。
社会人3年目。なんとなくのイメージで転職
すでに入社した時から、この会社で一生骨を埋めるとは考えていなかったものの、特に転職を考えずに最初の3年を過ごしていた。
そんなある時、同期の一人が転職をすると言うことで退職のメールが送られてきた。
さらに、結構憧れた存在であった先輩からも退職をすると言う話をされた。
今考えると笑ってしまうが、そんなことがたった数件続いただけで、
「なんか俺もこの会社にいるとやばいんじゃないか?」
という意味のない強迫観念に駆られるようになる。
初めてのエージェント登録と転職面接
なんとなくのイメージで、日系のグローバル企業に強いと評判の転職エージェントに登録してみた。
当時少しグローバル的な仕事をかじっていたこともあり、転職先も格好い感じのグローバル企業がいいなあと思っていた。
(この時点で何も考えていないことが丸わかり)
美人な転職エージェントと面談をし、短いキャリアでの経験談をなんとか絞り出して、話をした。
新卒3年目くらいだと、第二新卒相当ということで結構な数の案件が紹介された。
それが向こうの戦略だと何も気付かずに。。。
目がキラキラするような有名企業の求人紹介に完全に舞い上がってしまう私がいた。
求人情報を読めば読むほど、他の会社が輝いて見えてきて、今いる企業が全くダメな会社に感じられる感覚を堪能することになる。
初めての転職活動
実は新卒は地方都市の会社だった。
しかし転職で紹介される案件は、やはり東京勤務が多く、面接のたびに東京に行くことが求められたのには非常に困った。(当然ながらコロナ以前)
なので結構日程のやりくりには苦労した。
有給を使いながらも面接に行ったりすることも一度や二度ではなかった。
ただ私が幸運だったのは時々、東京に出張に行くことがあったので、なんとかそのタイミングで面接をお願いするということもしていた。
日本で仕事するならば、東京での求人数は他の都市と比較して比べ物にならない。
当時はそのように感じた。
そんな数ヶ月の転職活動ではあったが、何社か受けた会社の中で、自分が新卒の時に引っかかりもしなかった人気有名企業からオファーが出る。(外資系だった)
第2新卒枠というやつである。
これには自分もびっくりして、当時付き合ったいた彼女と大いに盛り上がった記憶がある。
転職失敗を初日で認識する
明らかに、今のいる会社からの格上の転職になるので、喜んで内定受諾をし、タイミングを見計らって勤務先の会社には退職意志を伝えた。
あの憧れの会社に行ける自分はなんてラッキーなんだろう。
周りの同期からも羨ましがられ、完全に有頂天である。
今後はバラ色でピカピカのビジネスキャリアが築けるに違いないと思っていたものだ。
そんなこんなで無事に新しい会社の入社に漕ぎ着け、初日から数週間の研修が始まった。
が、初日には早速違和感を感じていた。
そこに集まっている「人種」が前職と違うのだ。
能力が高いのもそうだが、性格やノリ、社交性、など、自分の前職にはいなかった種類の人たちだったのだ。
これはなんとも説明が難しいのだが、全然異なるカルチャーを構成している雰囲気を醸し出しているということで片付けさせて欲しい。
全然タイプの違う人と仕事をすることへのストレス耐性が当時の自分にはなく、弱々しい限りである。
仕事の内容も前職と比較し急激に高度になり、即劣等生になっていった。
次第に能力の高い周りの人間に追いつけなくなり、スキルの低さに恥ずかしくなっていく自分。
最初は必死になって、自分を追い込んで食らい付いていったのだが、数ヶ月しないうちにバーンアウトしてしまう。
結局私は会社から逃げ出した。
元の会社への出戻りに挑戦
今でこそ、退職して外での経験をして、また元の会社に戻ることができるようになる機会も増えてきたが、この時は非常に稀で、ましてやメーカーではそんなことはなかった。
そんな恥も承知で、前職の上司にメールを打ち、会社に再度入社させてほしいという内容の連絡をした。
本当に恥ずかしく、泣きそうな気分であったが、変にまた違う会社に行くよりは、数年間過ごした会社の方がまだマシだろうと考えたのだ。
その段階でだいぶ上から前線な自分である。
新卒で入社した会社もそんな自分の事(転職に失敗した私の事)をわかってくれるだろうという甘い考えで、そのメールの返事を待っていた。
返ってきた結果は、「復帰不可」という連絡のみ。
当然である。
2回目の転職活動も失敗。さらに職務経歴書を汚すことに
復帰への道が断たれた以上、また転職活動である。
一度活動しているとはいえ、つい数ヶ月前までやっていたことをまたやるのかと思うと、滅入ってしまうが、不満を言える立場ではない。
なんとかして早くまた転職先を決めなければと気持ちが焦る。
前回と違い、今回は少しでも早く就職しないとそもそも生活が出来ないというプレッシャーがその気持ちをさらに高めていた。選り好みしている場合でない。
短期で退職をした人間を採用してくれる会社は、そう多くもなく、紹介される求人のレベルが以前と比較して明らかに下がった。
人員が全然足りていない新興企業が多くなり、そのような会社ばかりを受けることになった。
結局、自分の過去の経験とは何も関係のない、エンタメ関連の会社に入社することにした。
もう後がないと思っていたものの、残念なことにまた同じことが起こる。
入社したベンチャー企業の組織に馴染めないのだ。
根性なしだ、甘ったれた事言っているんじゃない。まずはプロとして自分の仕事をしっかりやって成果を出すことが求められていることだと皆様言われるかもしれない。
至極ごもっともである。
しかし、フィット感のある組織と全然フィットしない組織に所属した経験からいうと、本当に合わない会社というものがあるのだ。企業カルチャーは会社ごとに全然違うのだ。
全然自分に合わない会社というものが存在することは、転職してみないとわからないのかもしれない。
さらに入社した会社がエンタメ系であり、自分にとって正直何も興味がない。全然興味のない仕事をやらされることほど、辛いことはない。
この会社はいわゆる、ベンチャー企業で、社員の平均年齢は非常に若かった。
個人的な見解になるが、会社組織はある程度、年次がバラけている方が、健康的な気がする。
男女比ばかりでなく、年次のバラツキも会社にとっては継続性という観点から大事なのではないかと今になると思う。
全ての会社がそうとは思わないが、若い社員ばかりの会社は、なんとなく雰囲気やノリが学校みたいになりがちで、かなりカラーに特色がでる。
会社をやめたい気持ちが高まってしまう。
私は再度そんな会社から逃げ出した。。。
3回目の転職でなんとかハマる会社に入社
社会人三年目ですでに3社を経験してしまうというダメダメな経歴になり、負のスパイラルに陥った。
2回連続の転職失敗には流石に応えた。
精神的にかなり、辛い状況になり逃げることばかり考えていた。
もう失敗はできない。なんとか普通に仕事をしている状態に戻りたい。と思いながら
転職活動を続ける。ハローワークにも通った。
この時がかなり自分の中では苦しい時期で、もう一生自分は社会で必要とされないのではと考えるようになってしまった。
どこにも所属していない自分、社会から必要とされてないのではという感覚を感じる毎日。
社会の構成員になっていない感覚は、その状態になってこそわかる。
そんな毎日は本当に辛く地獄だった。
一時的に実家にも帰った。そんな時、支えてくれれたのは自分の親だったりする。
こんなみっともない状態になってしまっても、何も言わず毎日ただ普段通りで接してくれたことを今でも感謝している。
休みながらではあったが、なんとか自分を奮い立たせて、転職活動を継続した。
中々決まらない日々が続いたが、運よくスポットでメーカーでの求人で、新卒で入った時のような営業での採用が無事決まった。
通常中途採用を行っていない企業であった。
ただ、急拡大した新規事業の頭数が圧倒的に足りず、積極採用をしていた。
知名度も高くなく、応募者がそもそも少なかった状況だったことで、自分の経歴でも無事に先方が検討のテーブルに乗せてくれたのだ。
地味な会社であったが、実は自分にフィットする会社ってこういう会社だったよなあと改めて感じながら面接を受けたことを思い出す。
ありがたいことに面接はトントンと進み、無事内定を得ることができた。
内容とズレるが、合いそうな会社だなっていうのは面接の段階で結構わかるものである。
知名度もなく、中規模の会社ではあるが、なんとなく腰を据えて働けそうな会社に巡り会えた機会に本当に感謝をした。
自暴自棄になって、転職活動を諦めないで良かったと思う。
自分はまた働くことができる。そう感じられることが、本当にありがたかった。
無事複数年務めることができ、リカバリー達成
入社した会社は中堅企業でありかつ、そもそも人出が足りないという状況で入ったので、営業という職種ではあったが、何でもこなすことが求められた。
しかし、会社の雰囲気や同僚の存在が自分にとっては居心地の良い場所だったので仕事はハードであったものの耐えて頑張ることができた。
結局は7年を越える年数を勤務することができ、職務経歴上とりあえず、プラスマイナスゼロのところまで回復させることができたのではと思っている。
転職活動をしても、もう短期での退職についてそこまで突っ込まれることはなくなった。
また新たな場所でのキャリアの挑戦を始めたところである。
まとめ
- 長期的なゴールを考えない、短期的なキャリア志向
- 狭い視野(ビジネス含めて、世の中を知らない)
- 自分だけで転職を決める(客観的にダメ出ししてくれる人の存在がいない)
- 企業ごとに人やカルチャーは全然違う。フィット感があるかどうかをしっかり見極める
仕事内容や会社のネームバリューで決める転職も悪くはないと思う。
ただ、自分の経験からいうと、組織のカルチャーや雰囲気などが非常に大きなウェイトを占めると思うのである。
そういう意味では、事前に希望の会社の社員と話す機会を持つことが理想である。
面接の機会も当然そうであるが、できるだけ会社の雰囲気を感じ取る努力が欠かせない。
(今はWeb面接も増えたが、本当は転職面接は会社に行く方が良い)
それでも会社との相性が合わないということは全然起こりうる。
転職は毎回成功するとは限らない。
自分が行きたいと思っていた会社でも思ってたのと違うことも多分にあると思う。
ただ転職は、それをする年数が遅ければ遅いほど、そのカルチャーギャップに衝撃を受ける可能性が高いとも思う。
転職は万人におすすめできるものではない。
結局のところキャリアは、自分がどうなりたいか、自分がどのような環境で、どのような仕事を、誰としていたいかという大きな長期的なビジョンのもと、挑戦していくものである。
モテそうだから、見た目がかっこよさそうだから、履歴書にかけると立派に見えるなど、色々があるが、そんな単純なものではないということは転職経験者はわかると思う。
あれこれ書いたが、自分の人生何があるかわからない。
正解がない中で、前に突き進むのが結局のところ正解なのかもしれない。